終活
■2025年問題とは?
1947〜1949年に生まれた人口ピラミットで突出している「団塊の世代」が全員、75歳以上の後期高齢者に加わる年で、多くの問題が一気に噴出するとされています。高度成長を支えた人々が、今度は日本の社会保障制度を崩壊させる可能性があります。
2025年はすぐやってきます、終活しておかないと「後の祭り」になります。
■終活情報が市に登録
K県Y市ではH30.5から終活情報を市民が登録できる「終活情報登録伝達事業」を開始しました。市民であれば無料で利用できます。延命治療、エンディングノート、遺言の保管場所、葬儀、お墓の所在地など10項目の記入欄があります。「終活」も公的な市民権が得られたといえます。
■リビング・ウイル
Living Willは、「生前意思」とも言われており、「いのちの遺言状」です。「自分の命が不治かつ末期であれば、延命措置を施さないでほしい」と宣言し、記しておくのです。延命措置を控えてもらい、苦痛を取り除く緩和に重点を置いた医療に最善を尽くしてもらいます。エンディングノートは、リビング・ウイルを包含するものです。
■庭の剪定・伐採も終活?
はい、そうです。広い庭をお持ちの高齢者が自分で庭を管理している場合は、70歳を過ぎると庭のメンテが体力的にきつくなります。特に生命力の強い木、モクレン、藤、もみじなどは秋の落葉のことを考えても頭痛の種です。ばっさり切って、労力のかからないようにしたほうがよいでしょう。8月の猛暑のなか、雑草とりで熱中症になるのは避けたいものです。
■葬儀の種類
葬儀にもいろいろやり方があるようです。日本消費者協会の最近の調査(2017年)では、一般葬が56.6%、家族葬が35.4%だそうです。
*一般葬:親戚・友人知人を招く一般的な葬儀(100^200万円)
*家族葬:身内だけの小規模葬儀(30~80万円)
また、簡素な葬儀としては、一日葬(お通夜なし、告別式と火葬を一日でする)や直葬(お通夜、告別式もやらず火葬のみ行う)があります。高齢化社会を反映して、家族葬で簡素な葬儀が増加しています。
終活
終活とは、消極的な「終わりの準備活動」ではなく、より積極的な『誰にでもやってくる終焉を受け入れて、人任せにしない自分らしく生き生きと暮らすための活動』と定義されているようです。最大の目的は、残りの人生を楽しく生きることです。
1.終活のプロセス
2009年に終活という言葉が誕生して以来、2012年には流行語トップ10入りして、一般的な用語として定着してきました。終活のプロセスというべき大きな流れは、次の通りです。
@過去の自分の人生を評価します。
A今後の死に至るまでの生き方を考えます。
B家族へそれを伝える手段として、エンディングノートを記載・更新します。
2.エンディングノートとは
終活のまとめとして自分自身の考えをまとめ、家族に残すものです。一般的には、自分史・家系・介護・医療・財産・葬儀・お墓・供養等から構成されていますが、要は自分なりに残したい事項を列記すればよいのです。
FAQでの最初の質問は、『遺言とどう違うのですか?』です。以下の通り、エンディングノートは全て自由です。本人が好きなように書いていいのです。
遺言 エンディングノート
*法的規制 あり なし
*書き方の制約 あり なし
*書き直し制限 あり なし
2番目の質問は、『いつから書くのですか?』です。現役引退した時期が一番良いタイミングといえます。認知症になっては書けませんし、体が不自由になっては書く気力もなくなります。そう、元気なうちに自分の終焉を予測して書くのです。
3.エンディングノートの例
本屋さんにもネットにも雛形が多数ありますので、それらを参考にして自分なりにアレンジして書けばよいことになります。
■ エンディングノート目次(例) ■
T.私について
基本的事項
家族・親族・友人等
履歴一覧表
携帯・インターネット・パソコン
U.仕事
勤務先・住所・TEL
e-mail及びHP
連絡先
V.資産
資産一覧表
口座引落一覧表・クレジットカード
年金
契約している保険
借入金・ローン
貸金庫
W.趣味
音楽鑑賞
ナンプレ
X.医療・介護
健康管理
介護
告知・延命処置等
遺言書
Y.終活準備事項
Z.葬儀・お墓・相続・身元保証サービス
[.ペットの終活(ペットを飼っている場合)
\.死亡時諸手続・連絡先
実際に書いてみると、『自分の人生のたな卸し』が出来ます。結構時間もかかりますが、興味がわいてくるもんです。ノートに記載する方法もありますが、パソコンで作成することを強くお勧めいたします。理由は簡単、更新が楽だからです。エンディングノートは1回書いたら終わりではなく、少なくとも毎年1回は更新する必要があります。ノートですと少々更新に難があります。
4.平均寿命と平均余命
終活する場合、最も重要で最も不確実性が高いのが、『自分は何歳まで生きるのか?』という疑問です。これさえ判れば終活は非常に楽に計画できますが、逆説的にこの解答が得られないからこそ終活が必要といえます。
『日本の男性平均寿命は81歳、自分は70歳 81-70=11、ゆえに平均値的には後11年生きる』というのは100%誤りです。ある年齢の人があと何年生きられるかを示す指数は「平均余命」といわれるもので、厚生労働省が平均余命表を公表しております。平成28年の平均余命表によれば、70歳男性の平均余命は15.72歳ゆえに平均死亡年齢は85.72歳ということになります。平均寿命というのは、年齢0歳の生まれたばかりの赤ちゃんの平均余命といえます。終活では、当然、平均余命を参考にして計画する必要があります。このHPのシュミレーションでも70歳男性は、享年86歳として試算してあります。