お爺さんの終活と相続 date:2022.8.17 ver:1H
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■ 著者紹介 ■
古希を過ぎた税理士・終活コンサルタント。近親者の終末をみて、終末期から死亡・相続の一連の流れを連続して計画する必要性を痛感し現在に至る。エンディングノートをしたため、シュミレーションを済ませ、『死ぬまで生きているスッキリ老人』を標榜しています。
■ 目次 ■
*はじめに
*終活
*介護
*老後の住まい
*相続
*シュミレーション
*その他
*まとめ
■高齢者とは?
一般的な概念では、「老いた人」、「年齢が高い人」。 年齢については統一された基準はなく、高齢運転者標識では70歳以上を対象とし、後期高齢者医療制度では65歳以上75歳未満を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者といいます。また、WHO(世界保健機関)では65歳以上を高齢者としています。各種公的機関が行う人口調査では、64歳以下を「現役世代」(5歳以下を乳幼児、6〜14歳を児童、15〜34歳を青年、35〜64歳を壮年)、65〜74歳を「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」と区分しています。
■基礎的財政収支
(Primary Balance:PB)
プライマリーバランスといわれるもので、過去の債務の元利支払い以外の歳出と国債発行を除いた歳入とが、歳入=歳出になり、毎年の歳出が毎年の歳入でまかなわれている状態になりますが、現在の我が国ではでは△10兆円ほど赤字です。
また、現在の予算の34兆円、34%が借金。かなり乱暴なやり方でこれをゼロになるように試算してみます。逆にこのような革命的改善(又は改悪)をしないと赤字予算は解消しません。
@歳入を増やす:
まず消費税を8%から16%にして+17兆円。別に驚くには値しない。25%のデンマーク等にはじまり、G7の英や仏は20%、独は19%でまともな国の消費税は16%以上は当たり前。相続税2倍その他増税で+3兆円
==>計+20兆円。
A歳出は削減:
社会保障費(年金、介護、健保)の給付30%カットで△10兆円。その他カット△4兆円
==>計△14兆円。
これで机上計算では、”赤字予算”はかろうじて回避できます(しかし、借金が減るわけではない)。
”日本人は低負担で高福祉を求めている”
”選挙目当てのポピュリズムに迎合する政治屋はいても、見識ある政治家はいない”
”社会保険制度を利用して老人が若者を搾取している”
”オリンピックに1.6兆円も金をかけるほど日本は豊かでない”
というコメントは的を得ているのかもしれません。
我が国のPB黒字化の達成時期は,2006年には2011年度、2009年には今後10年以内、2010年には2020年度、と延期が繰り返されてきました。2018年には、2025年度とまたも5年先送りされ”絵に描いた餅”のようです。2019年時点でその2025年度も△1.1兆円の赤字が出ると内閣府が試算しており、お先真っ暗です。OECD(経済協力開発機構)は、2019年に我が国のPB黒字化には、消費税は20%〜26%まで引き上げる必要があると提言してます。さらに2019年8月、内閣府は黒字化は2027年になると再延期しました。経済成長に頼る黒字化は実現可能性が不確実です。
「自国通貨で借り入れが出来れば、財政赤字は問題なし」という現代金融理論:MMT(Modern Monetary Theory)という異端の理論があります。PB黒字化からすれば、放漫財政を助長するとんでもない暴論といえます。
■相続税課税割合
相続税の課税割合は、H26年度までは毎年ほぼ一定の4.2%前後でしたが、H27年度の税制改正で一挙に倍増しました。全国平均では8%ですが、東京国税庁管内では12.7%となっています。
お爺さんの終活と相続
このHPの概要が説明されている動画が以下に準備されています。必要に応じご覧ください。
お爺さんの終活と相続 (10分7秒)
はじめに
総務省の平成29年10月1日の人口推計によれば、『65歳以上の高齢者は3,515万人、日本の総人口1億2,670万人の27.7%、日本人の3.6人に1人が高齢者』です(H30.4.14発表)。75歳以上の人口は1,748万人、総人口の13.8%に達しています。すでに驚異的な超高齢化社会になっています。
下流老人、老後破産、孤独死、老老介護、超高齢化、暴走老人、労害ニッポンなどわが国の老後を表現する言葉は、暗いものだらけです。実際に老人には、健康・経済・介護の3つの心配(老人の3K)があるといわれています。老後問題を解決する1つの手法である「終活」と、争族にならないようにする「相続」の本や情報は巷にはあふれていますが、個別に説明されていて老人の目線で関連付けがなされていないようです。
このHPのシュミレーションで明らかなように、中流老人でも終末パターン次第では老後破産します。公園のベンチでぼ〜と時間の経過を待っている『生きているのに死んでいるボーとしている老人』になるか、公園をスタコラサッサとウォーキングしている『死ぬまで生きているスッキリ老人』になるのかは、我々の考え方とそれに基づく行動次第です。
1.このHPの目的
高齢者が終末期の準備をすることで、ご本人とご家族の安心感を得られるようにするのがこのHP『お爺さんの終活と相続』の目的です。
*高齢者が介護を必要とする「不健康な期間」をいかに生きるかを計画します。
*「長生きリスク」を避けて、見えない将来をシュミレーションすることにより「見える化」します。
*相続税が心配な富裕層高齢者には、死亡時の財産と相続税を試算します。
これらの作業を経て、死ぬまで生きているスッキリ老人になることが出来ます。
2.構成
本HP構成は次の通りです。
*はじめに:本HPの概要
*終活:終活のプロセス、エンディングノートの書き方、平均余命
*介護:原因、ランク、終末パターン、3つの介護施設等
*老後の住まい:種類、費用、留意点、高齢者の住まい例
*相続:相続税の10の常識、相続税の試算、実際の相続税申告書、節税対策
*シュミレーション:概要、使い方、注意と2つのシュミレーション例
*その他:お墓、遺言、家族信託、身元保証サービス、ペットの終活
*まとめ:このHPのまとめと提言
3.終活・相続の10の常識クイズ
ここで『終活・相続の10の常識クイズ』にトライしてください。
次の質問に正しければ( )に〇、間違えていればXを入れ正しい文章にしてください。
( )Q1:終活とは、ズバリ”死ぬための準備”である。
( )Q2:エンディングノートには、一定の様式がある。
( )Q3:平均寿命が81歳であれば、70歳の人は81-70=11で、これから平均的には11年生存することになる。
( )Q4:介護が必要になる最大の原因は、高齢による衰弱である。
( )Q5:要介護3とは、生活の一部に部分的もしくは全てに介護が必要な状態である。
( )Q6:老後の住まいの分類は比較的単純である。
( )Q7:サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は、有料老人ホームと重複することはない。
( )Q8: 遺産相続でもめるのは、富裕層が多い。
( )Q9:中流家庭であれば、終末期パターンにかかわらず老後破産をすることはない。
( )Q10:家族信託は使い勝手が悪く、終活の検討事項にはならない。
★解答例は、ここ↓をクリックしてください。
終活・相続の10の常識クイズ【解答】
4.高齢者を取り巻く社会の現状把握
将来を予測するには、社会の現状把握をする必要があります。
@平均寿命 ⇒日本男性は平均寿命81歳で、死亡するまで9年間の「不健康な期間」があります!!
日本男性の平均寿命は81歳、介護などの必要がなく、日常生活を支障なく過ごせる期間の健康年齢は72歳、従って医療と介護の必要な不健康な期間は差額の9年間になります。
平均寿命 - 健康年齢 = 不健康な期間 (2016年 厚生労働省)
男 80.98 72.14 8.84
女 87.14 74.79 12.35
A日本の財政(2018年度予算案) (単位:兆円) ⇒財政破綻しています!!
*歳入 税収 59.1(60.5%) 歳出 社会保障費 32.9(33.8%)
税外収入 4.9(5.1%) 地方交付税等 41.5(42.4%)
新規国債 33.7(34.4%) 国債費 23.3(23.8%)
合計 97.7(100%) 97.7(100%)
*国の借金残高:1,071兆円(2017年3月末 財務省)
B高齢者(65歳以上)世帯所得、貯蓄額等
*平均所得金額(単位:万円) (厚生労働省 H28年国民生活基礎調査)
全世帯 545.8
高齢者世帯 308.4 ⇒高齢者の平均所得は308万円!!
(高齢者世帯の所得分布)
0〜200 39.3%
200〜347 32.3%
347〜529 17.9%
529〜800 6.7%
800〜 3.8%
*平均貯蓄額
平均貯蓄額 - 平均借入額 = 実質貯蓄額
高齢者世帯 1,286.3 164.2 1,122.1 ⇒実質平均貯蓄額は1,122万円!!
(高齢者世帯の貯蓄額分布)
貯蓄がない 15.1%
0〜1,000 40.5%
1,000〜3,000 22.8%
3,000〜 10.8%
額不詳 5.3%
不明 5.5%
*老後の年金収入(夫婦合計、月、単位:円) 厚生労働省・受給予測(H28年)
元会社員 221,504(厚生+老齢)
元自営業 130,016(老齢)
⇒年金だけで生活はできません!!
*老後の生活費(70〜74歳の無職の夫婦、月、単位:円) 総務省2015年家計調査
実収入 209,215
消費支出 248,122
⇒毎月3〜4万円の赤字です(△ 38,907)!!
C相続税課税割合・額 ⇒相続税を納付する人は8.1%、平均税額は1,764万円
相続税を納付した人 10万6千人 (課税割合 8.1%) (国税庁 H28年分の相続税の申告状況)
平均相続税額 1,764万円
相続財産 土地 38.0% 現金預金 31.2% 有価証券 14.4% その他 16.4%
【ご注意】
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