その他







■散骨と手元供養
 お墓をきらい埋葬や供養の方法として散骨や手元供養を選択する人も増えています。
散骨は粉状にした遺骨を海や山にまくもので、違法ではありませんが、住宅地や水源などでは行わないルールがあります。専門業者に依頼するほうが無難です。手元供養は、粉状の遺骨を置物やアクセサリーに入れて安置したりします。これらを希望する場合には、エンデングノートに明示すると共に、事前に家族と相談しておくべきでしょう。


■遺言のメリット
 遺言があると相続人の負担はかなり軽減します。複雑な家庭環境の場合には、遺言は資産額の大小にかかわらず必須と言えるかもしれません。
@争族を避けられ、円満な遺産分割が可能
A故人の意思が生かされる
B相続手続きが楽になる


















































その他

 
 エンディングノート作成以外でも終活で考慮すべき重要事項として以下の5つを考えておく必要があります。

1.お墓
 お墓の問題も終活の大きなテーマです。先祖代々のお墓のある人は問題ありませんが、それ以外の高齢者は自分のお墓を考えておく必要があります。お墓の管理主体としては、民間・公営・寺院墓地の3種類あり、お墓の種類と費用の大まかな目安は次の4通りです。
 @一般墓:従来タイプで新たに取得すると標準的なお墓、100〜300万円
 A永代供養墓:共同墓で他人と共同で入る、1人10〜50万円
 B納骨堂:屋内にあり都心部では自動搬送式が増加、20〜100万円
 C樹木葬の墓:木を墓標代わりに植えた墓地に納骨、1人10〜60万円
 お墓は非課税財産のため相続税はかかりません。相続開始後お墓を購入しても、その費用は相続税の債務とはなりませんので、お墓は生前に購入し、その費用分だけ相続財産を減少、節税するのも一考に値します。

2.遺言
 争族を避ける手段の1つが遺言です。妻と子供が1人という場合には、もめることは少ないですが、複数の子供がいて仲が悪いく親の面倒を特定の子供がみているといるような場合には争族の可能性があります。
 自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3通りあります。自筆証書遺言は変造・紛失・無効の恐れがあり、費用と手間はかかりますが公正証書遺言の方が終活の手段としては断然ベターです。相続には遺留分がありますので、遺言を残す時には注意が必要です。

3.家族信託
 老後の財産管理・承継の方法には、次のように3つあります。
 @遺言:誰に財産を残すかを決める
   →死亡するまで効力が発生しないので生前の財産管理は出来ない
 A成年後見:判断能力が衰えた後でもはじめられる
   →本人の財産を守るのが原則で使いずらい
 B家族信託:信頼できる家族が財産管理
   →生前中でも財産処分できる
 高齢者の認知症が進むと本人名義の家の売却、預金解約が困難になります。財産がありながら死亡するまでその財産を活用できないと、有料老人ホームの入居金などの支払いが出来なくなる場合があります。これを解決するのが、『高齢者が持っている財産を、子供が管理・処分する信託契約を結ぶ』家族信託契約です。この契約で親の財産を処分して、介護施設の費用に当てることができるようになり、認知症とお金の問題を解決することができます。元気なうちに、親子が話し合い、家族信託を検討するのも終活の1つです。

4.身元保証サービス
 1人暮らしの高齢者は介護施設などに入居する場合、適当な身元保証人がおらず苦慮する場合があります。これをビジネスにした身元保証サービスがさまざまな団体や会社が参入し、全国で事業者が90余りあるそうです。基本的な身元保証をはじめ、次のような一連の付帯サービスを提供している事業所が数多くあります。
 @身元保証:有料老人ホームやサ高住などの入居時の身元保証
 A生活サポート:病院・役所・銀行などの諸手続きの代行やサポート
 B葬儀支援:葬儀の手配、遺品整理、納骨など
 Cその他:死亡後の事務、財産管理など
費用は内容に応じ数十万円〜200万円程度の一時金に加えて、サービスの内容により毎月1〜3万円程度必要な場合があります。このサービスを指導監督する行政機関がなく、運営や契約の方法は業者任せで、中には悪質な業者もあるようです。このサービスを受ける場合には、実際に担当者と会って話を聞く、実績を確認する、事業者の信頼度を確認するなどして信頼できる業者を選ぶのが重要なポイントになります。

5.ペットの終活
 高齢者になるとペットも頭の痛い問題の1つです。ペットのもつメリットも十分考慮すべきですが、自分自身が介護を受けるようになっては、当然ペットの面倒は見られません。原則的には、ペットの種類にもよりますが、犬や猫のなどは高齢者が新たに飼うのは控えるべきでしょう。現在、飼っているペットの終活も考えてやる必要があります。高齢者が飼えなくなった場合には、親族・知人などに依頼する、持参金をつけて新しい飼い主を探すなど考えておく必要があります。かわいいペットには終活する能力はありません。